fc2ブログ
旨い純米酒と素晴らしい居酒屋のご紹介
2011/12/17(土)
土曜日の昼前。
何とも魅力的な 「生ビール 150円」 なのか? の看板・・を ぐっとこらえて
生ビール150円 やり過ごし、

向かった先は、「蕎麦 更里(さらり)」。
開店前
が、開いてない。。 まだ、11時10分。

でも、負けない(笑)。 お店に突撃のTELをかけるサントス君。
サントス君活躍 サントス君の活躍により、
開店前にも関わらず、女将さんは、我々3人を気持ちよく店内に入れてくれたのです。
(店内では、お子さんがお昼ごはんの最中でした。なので店内写真はありません。)

ひとめで清潔さを感じる店内は、入ってすぐ左手前に半個室風の4人卓。
中は、左にカウンター、右にテーブル2卓。奥に小上がりもあるようです。

おもむろにビール。
ビール グラスにも店名の「更里」。

ちょっと焦げすぎ?の「蕎麦味噌焼き」。
蕎麦味噌ビールとお通し
                           ビールのおかわり。 お通しは、何だった?

何かお酒に合うものを と頼んだら、「秋刀魚の煮つけ」。
秋刀魚の煮つけ
”三日間煮込んだから、骨まで食べられるよ。”との言葉どおり、味がよく沁みてます。

ノミ太蔵さんリクエスト。東京の「出汁巻きたまご」。
出汁巻き卵
色合いからして、お蕎麦屋さんらしく、出汁だけでなく ”かえし” も入ってるんだろうね。


「まぐろの酒盗」。開店前から押しかけたのに、こちらはサービスです。ありがとう。
まぐろの酒盗鯨波
このころは、もちろん日本酒です。「鯨波」。 なぜか、盃は赤とんぼ。

こちらのお店のご主人は、神田猿楽町の老舗蕎麦屋「浅野屋」の店主の弟さん。
大井「布恒更科」で修業された腕利きです。

麻布には「更科」の老舗が3店舗ありますが、本家本元が戦後に廃業した後に、店名使用許諾を受けたお店と、別資本が入って会社を継いだお店がありまして、人的に直系と呼べるのは「総本家 更科堀井」です。
堀井

「更里(さらり)」は、その流れをくむお店ですね。
二色そば
「生粉打ちそば」と「更科そば」の二色せいろ(1200円)。

ホントに真っ白な更科です。
更科が透明感すら漂うだけに、生粉打ちは熟成の感さえ覚えます。

布恒更科は、地中に貯蔵する”かえし”を使った江戸前らしい辛いつけ汁で有名です。
本
親爺の持ってる本にも、その蕎麦つゆの作り方が紹介されておりました。

そのお弟子さんである、この「更里」のつけ汁も辛味でした。
京都の人は、そば湯を入れても飲みきれなかったようです。

旨かったです。
蕎麦つゆ(つけ汁)は、撮る余裕ありませんでした。
ずずず~っと、一挙に行っちゃいましたから。

旨い蕎麦は、ほんとに旨い。 遠方より来る友人と、至福のいっとき・・・でした。
暖簾
店を後にする時には、もちろん暖簾もかかり。「手打ち」の文字が妙にかっこよかった。。


【蕎麦 浅草橋 更里(さらり)】
・所在地:東京都台東区浅草橋1-11-3 TEL:03-3863-6288

大きな地図で見る

・営業時間:<月~金>11:30~14:30、17:00~21:00(L.O)  
        <土・祝>11:30~14:30、17:00~20:30
・定休日:日曜(祝日の場合は営業)


◆過去の 蕎麦屋ネタ◆
蕎麦屋の系譜(藪)
蕎麦屋の系譜(一茶庵)
手打そば屋 かんだた
そばや 蛍


 ↓↓ ポチっ ポチっ と ↓↓ ついでにポチっ と ↓↓ ご声援頂けましたら幸いです。
にほんブログ村 酒ブログ 日本酒・地酒へ 人気ブログランキングへ
スポンサーサイト



2011/12/01(木)
長野県小谷(おたり)村の真木(まき)という山深い集落に、 桜の季節~紅葉の頃まで
1.玄関

美味しい蕎麦屋が開いている。 築120年の古民家のお店。

2.黒板
                 ”お店の前の 畑のおそばは  乾燥中  
                    おいしい おそばになりますように。”
3.畑

                            玄関・・・  に入る。
5.玄関(外)4.玄関(うち)

                    ”そばと 小谷よいとこ 一度はおいで
                         ほたるの 人心”
6.玄関(右)7.人心

 店内には、囲炉裏が切られ          あかりは、窓の陽の光とランプだけ。
8.囲炉裏9.卓上
                           卓上と、
 天井と。
10.天井

蕎麦は、石臼で挽かれ、薪のかまどで茹でられる。
11.かまど

季節の天ぷら(580円)。  かなりのボリューム。これで1人前。
12.天ぷら
二人で食べて、ちょうどいいくらい。

そば(蛍の緑)大盛り(880円+大盛り220円)。 これまた、かなりの大盛り。
13.そば(深里)
でも美味しいから、食べられる。

直前に冷たい水にさらすのか? 蕎麦徳利と蕎麦猪口は、いい感じに冷えている。

素晴らしい自然と風情のある古民家・民具。この中で、この一枚の蕎麦は、最高でした。
14.お品書き 裏メニューを探せ!
 *蛍の緑:そばの殻を取り除いて挽いたそば粉   *深里(ふかさと):そば殻も一緒に挽いたそば
 *どこかに裏メニューあり。              *小盛り50円引き、大盛り220円増し


15.そばや 蛍

【そばや 蛍】
所在地:長野県北安曇郡小谷村中土真木16588 → 地図
TEL:0261-85-1810
名刺(裏)
==== この店の流儀 ====
・開店時間は11時30分になってはいるが、お客さんが来れば11時頃から開ける。
 (土・日は、11時30分に行ったのでは、並んで待つことになる場合がある。)
・店内禁煙。


<そば 関連ネタ>
蕎麦屋の系譜(藪)
蕎麦屋の系譜(一茶庵)


 ↓↓ ポチっ ポチっ と ↓↓ ついでにポチっ と ↓↓ ご声援頂けましたら幸いです。
にほんブログ村 酒ブログ 日本酒・地酒へ 人気ブログランキングへ
2011/11/07(月)
その蕎麦屋は、善光寺のほど近く権堂アーケード商店街の脇の路地裏にありました。
1.店舗外観 「手打ちそば屋 かんだた」。
ちょいと早い。まだ支度中です。

路地先には、古い建物が、昭和の香りと風情を残します。
2.路地先
この店には、三つの『定』あり。
                   一、うどんなし、   一、大金持ち、   一、毎日限定、
                      天ぷらなし、     俄か成金、      四十五食、
                      旨いそばあり     入店を禁ず      作る也り

玄関に灯りが入って、営業開始。 「新そば」と「本日粗引き十割の日」の札が立つ。
3.玄関灯3.営業中
                 (↑↓クリックで少し拡大。↑↓)
一階はカウンター席のみ。二階は、古民家風の板の間に、テーブル席×6つ。
4.そば箱4.店内2階
蕎麦を入れる桐(?)箱が、飾り棚のモニュメント。
4.金曜日の限定メニュー 金曜昼のみ 粗引き十割そば。ラッキー

店名の「かんだた」とは、芥川龍之介『蜘蛛の糸』に出てくる主人公の名前。
 一本の蜘蛛の糸につかまって、こっそりと地獄から抜け出ようと昇るカンダタ。下から他の大勢の地獄の罪人達が同じ糸につかまって昇ってくるのを見て、このままでは糸が切れてしまうと心配になり、「この蜘蛛の糸は俺様のものだ。お前たちは、下りろ。下りろ。」と喚いた次の瞬間、蜘蛛の糸がカンダタの所から切れ、カンダタは再び地獄に堕ちました。 ・・・自分だけ助かろうという無慈悲な心ではだめなのよ。というお話し。

”当店の細めの蕎麦を、「細くて切れやすい」ということで、この話にかけました。だから、蕎麦のメニューも、怖そうな名前が並んでいてすみません。”と店の冊子に書かれてる。
5.芥川龍之介5.お通し
確かに、玄関やメニューには、
 ・鬼おろし(つぶつぶ大根の冷や掛けそば)800円
 ・釜ゆで (そば湯を張った熱いそば)    650円
 ・油地獄 (そばで作るあんかけ焼きそば) 850円 
 ・いなり (そばつゆで味付け、そばの実入り菜飯稲荷)1個 80円 などとなっている。

お通しをつまみながら、蕎麦を待つ。
親爺のオーダーは、十割そば&油地獄&いなりの「十割極楽セット」(1,150円)。
6.油地獄
油地獄
スナック感覚の揚げ蕎麦に、あんかけトロり。
中華のかた焼きそばよりも、柔らかくてさっぱりしている。ヘルシー感あり。
初めて食べましたけど、美味しいです。ちっとも地獄ではありません。

十割そば
そば粉は北海道産と長野県産の石臼挽き。通常は「外二」(そば粉10:つなぎ粉2)で打ちますが、金曜日だけ十割です。しかも平日昼は大盛り無料
金曜の昼が狙い目です。そして、この日は金曜の昼。。もちろん皆さん、大盛りです。
7.十割そば
そばつゆは、もち米から作った「本醸造みり」んと丸大豆から作る「天然醸造しょうゆ」をあわせて一ヶ月寝かせた「かえし」に、北海道産昆布・厚削りのかつお節・さば節の濃いめの「だし」をあわせて作る、(砂糖も使わない)ALL天然素材のそばつゆです。

美味しくないわけがありません。
そば湯は、ドロドロではくてさらりとサッパリ系。でも美味しい。(一番客だから薄めだったのか?それとも、そば湯は別に作るタイプなのか?は不明です。)

手打そば屋 かんだた(長野)】
・最寄駅:JR長野新幹線 長野駅(から1.2kmぐらい?) → 手打そばや かんだた の地図
・所在地:長野県長野市鶴賀権堂町2320、TEL:026-232-3718
・営業時間:(昼)11:30~14:30  (夜)17:30~20:00(入店まで)
・定休日:水曜日(昼・夜とも休み)、日曜・祭日(夜だけ休み)
・店の流儀:店内禁煙

そしてこの日の夜は宴会。仕上げの料理は、きのこ鍋の蕎麦。
そしてなぜか、その後に〆ら―。なぜか、もやしラーメン??
もやしラーメン JR信越本線 高田駅のすぐ前「駅前らーめん」。
麺三昧の一日でした。


 ↓↓ ポチっ ポチっ と ↓↓ ついでにポチっ と ↓↓ ご声援頂けましたら幸いです。
にほんブログ村 酒ブログ 日本酒・地酒へ 人気ブログランキングへ
2009/03/11(水)
意味もなく、蕎麦屋の系譜。何となく「藪そば」。

江戸中期、雑司ヶ谷鬼子母神に人気蕎麦店「爺が蕎麦」があり、これが竹藪の中の百姓家だったから藪と呼ばれるようになったのが”藪そば”の最古の呼称だとか。

現在の藪そばのルーツは、江戸幕末創業の「団子坂 蔦谷」にたどり着く。

・(江戸末期)旗本の山口伝次郎がそば職人に転身し、三輪姓に改めて開業したのが「団子坂 蔦谷」。地名が、藪之内藪下だったとか。
・(いつしか)藪そばと呼ばれるようになり、明治初期?神田連雀町(淡路町)に支店を出したことで、「団子坂 藪蕎麦(本店)」を称するようになる。
・(明治13年)浅草で砂場系蕎麦屋「中砂」を営業していた堀田七兵衛が、神田連雀町(淡路町)の支店を譲り受け、「連雀町(淡路町)藪蕎麦」を名乗り営業。
・(明治30年代)「団子坂 藪蕎麦(本店)」が三代目の時に廃業するのに伴い、堀田七兵衛が藪蕎麦本店の看板を引き継ぎ、現在の藪蕎麦総本家「かんだやぶそば」に至る。
(藪と砂場は、そのルーツで関係があったとさ。遠い親戚みたいなもんだ。)

「かんだやぶそば」から暖簾分けされた直系の店として
・明治25年?創業の「上野藪蕎麦」 と
・明治37年創業の「浜町藪蕎麦」 がある。

・総本家「かんだやぶそば」は、七兵衛の長男が引き継ぎ、
・(大正2年)七兵衛の三男 勝三が分家して浅草「並木藪蕎麦」を起こし、さらに、
・(昭和29年)勝三の二男 鶴雄が「池之端藪蕎麦」を開業。
「かんだ」「並木」「池之端」を藪御三家と呼ぶそうで。

もちろん、御三家や直系店以外にも多くの藪系の蕎麦店があり、それらで構成する「藪睦会(やぶむつみかい)」なるものもある。(こちらをどうぞ → 藪睦会

「池之端藪蕎麦」は後進の育成にも秀でていたようで、静岡県島田「藪蕎麦 宮本」などの名店を生み出しているそう。
特に「竹やぶ 柏本店」の阿部 孝雄氏を輩出した事は大きく、阿部氏のもとから幾多の蕎職人が育ち、藪系の中でも”竹やぶグループ”ともいえる集団を作り出しているみたい。

と、藪蕎麦のサーベイをしたところで、親爺は「並木藪蕎麦」しか行ったことがありません。
あしからず。今度どっか行ってみよ。

藪の系譜2

補)白金「三合菴」の加藤氏 と 恵比寿「玉笑」の浦川氏 は文献により氏名の漢字表記が異なっていました。今回の表記が正しいかどうかはわかりません。

参考文献:
・岩崎 信也 著 『蕎麦屋の系図』 (光文社新書)
・古川 修 著 『蕎麦屋酒 ああ、「江戸前」の幸せ』 (光文社新書)
・一個人編集部 編 『一個人特別編集 こだわりの本格蕎麦』 (KKベストセラーズ)
・『dancyu 2005年12月号 「そば」最強60店』 (プレジデント社)

長文お疲れさまでした。
もうひと押し、よろしくお願いします。
↓↓ぜひ、ポチっ ポチっ と↓↓ 、ご協力お願いします。
にほんブログ村 酒ブログ 日本酒・地酒へ
2009/03/10(火)
藪、砂場、更科の老舗系列とは別に、”蕎聖”と謳(うた)われた人がいたそうです。
大正15年に創業した「一茶庵」の故 片倉 康雄さんという方がその人。

機械打ち全盛の時代に手打ち蕎麦の復興に生涯をかけ、一茶庵式手打ち技法を完成。
蕎麦道場を開き後進の方々に蕎麦技法を伝授しながら、店でも多くの弟子を育成。

特に一茶庵一期生とも言える「翁(→達磨)」の高橋邦弘氏は、師匠譲りの情熱で弟子を指導、すでに多くの弟子が全国で独立し”翁(達磨)グループ”が広がっているようです。

一茶庵の系譜2

参考文献:
・岩崎 信也 著 『蕎麦屋の系図』 (光文社新書)
・古川 修 著 『蕎麦屋酒 ああ、「江戸前」の幸せ』 (光文社新書)
・一個人編集部 編 『一個人特別編集 こだわりの本格蕎麦』 (KKベストセラーズ)
・『dancyu 2005年12月号 「そば」最強60店』 (プレジデント社)


ここまできたら、あとひと押し。よろしくね。
↓↓ぜひ、ポチっ ポチっ と↓↓ 、ご協力お願いします。
にほんブログ村 酒ブログ 日本酒・地酒へ