2008/08/10(日)
親爺、先週、福井・富山へ出張の旅に出ておりました。
そこでお邪魔したのが、富山駅ほど近く、銘酒居酒屋「酒肆 真酒亭(しゅし まさけてい)」

【お店の様子】
風俗店でも入ってそうなちょっと怪しげな雑居ビルの階段を、多少不安な気持ちで2Fに上がると、すぐ右側に落ち着いた風情の店構え。この外観で不安は消える。
← 金沢ジャンキーのHPから転載させていただいております。
店内禁煙、酩酊者お断り、醸造酒はナシ の純米酒を美味しく呑むためのお店。
店内は奥に細長く、左側に8席の1本カウンター、右側と奥に4人テーブルが4~5卓。
左奥のカウンター脇には、お客の目から隠れるように純米酒保冷用のリーチイン。
正面奥は、版画や出版物、各種催し物の案内などがギャラリーのようにディスプレー。
亭主の人脈の広さと多趣味・各方面への造詣の深さがうかがい知れる。
こう書くと、華やかで派手な店内を想像されるかもしれないが、ご安心あれ。
店内はいたって静かで、落ち着いた雰囲気。
店のBGMは、落語。ずーっと落語。最後まで落語。ボリューム控え目。
この日は、小さん オンリーだったな。
欲を言えば、小さんの「睨み返し」は、映像(小さんの顔の表情)も欲しかったな。
===== 以下、実況中継。=====
カウンターには常連らしき2名が、少し離れて座っている。富山ことば?でマスターと親しげに話しているところを、親爺、ずうずしくもカウンター最奥のリーチインが覗ける最高席に狙いを定め、
<親爺>「マスター。ここ、いいですか。」
<亭主>「はい、どうぞ。お座り下さい。」
<亭主>おしぼりとお通しを添えながら、「お酒はどのくらい召し上がりますか?」
<親爺>(・・・お~。太田和彦の本に書いてあるとおりだ。)「3合くらいですかね。」
<亭主>「では、半合ずつ富山の地酒を5種類ほどいかがでしょうか?」
<親爺>(お~。これも本に書いてあるとおりだ。)「よろしくお願いします。」
親爺、ここで、肴を注文。鰹の酒盗、しろえびの天ぷら、それと、さす(かじき)の昆布〆。
亭主、お店オリジナルの酒器(普通のお銚子とは違い、”くびれ”のないズンドウタイプの片口のようなお銚子と大きめの底の深いぐい呑み)を差し出しながら、
<亭主>「こちらは、冨美菊です。富山市内のお酒です。・・・、お酒は半分ほど注いでください。その方が、上半分にお酒の香りがたまりますから。」
<親爺>(お~、これも本に書いてある通りだ。でも、あぶなかった。先に言われなければ、うっかり、なみなみと注いじゃうところだった・・・。冨美菊、辛口でなかなか。)
ほどなく、
<亭主>「鰹の酒盗です。お酒は呑み切りましたら、上にあげて下さい。」
<親爺>(ほー、そうか。それが次の酒を催促する合図になるわけだ。鰹の酒盗は、親爺にはちょっと強烈。格好つけずに普通の塩辛にすればよかったなぁ。親爺、反省。)
<亭主>「しろえびの天ぷらです。お塩を添えてありますので、塩でお召し上がりください。」
<親爺>(美味しい。珍味も良いけど、サクサクの天ぷら、文句なしに旨いものを肴にするのもいいね~。うむ、酒がすすむ。)
親爺が、冨美菊を呑み切り、お銚子を上にあげる。
<亭主>「こちら、黒部峡です。」
<親爺>(これも淡麗辛口系だな。冨美菊をもっときれいにした感じ=親爺には少し物足りない。)
親爺、早くも黒部峡を呑み切り、お銚子をあげる。
<亭主>「勝駒です。さすの昆布〆お待たせしました。」
<親爺>さすの昆布〆を食べて思わず、「旨い!こりゃ美味しいわ!」
<亭主>にっこりと、してやったりの笑顔で、「そのままだと水っぽい魚なんですけどね。昆布で〆ると水っぽさがなくなって旨みがギュッと、こう~、歯ごたえが良くなるんですよ。」
<親爺>(本当だ。昆布のだし風味につつまれた絶妙のお造りだ。・・・でも、勝駒は、さすの昆布〆に負けちゃったな。酒が薄く感じる。)
親爺、さすの昆布〆で、勝駒を呑み切りお銚子を上へ。
<亭主>「当店オリジナルの”みゃあらくもん”です。」
<親爺>一口呑むやいなや、「旨い!今までの辛口と違って、米の甘みが広がる!」
<亭主>やはり、してやったりの笑顔で、「”みゃあらくもん”の今年の生酒です。あとで出す1年寝かせたものと比べてみてください。」
<親爺>(こいつを呑ませたいために、今まで淡麗辛口系を出してたのか?こんな旨いのを最初に出されたら、他の酒は呑めんぞ・・・。)
あまりの旨さに、親爺、あっという間に呑み乾してお銚子を上へ。
ここで、肴に穴子の卵巻を追加。
これは、店奥(客からは見えない厨房?)で亭主の奥さんが作ってくれた。でも、奥さんはカウンター(客の前)までは顔を出さない。
<亭主>「”みゃあらくもん”の1年寝かせたものです。」
亭主、親爺が呑むのを覗き込みながら、自信ありげに
<亭主>「いかかですか?」
<親爺>「旨い!さっきの生もいいけど、こっちの方がもっといい!」
<亭主>またしても、してやったりの満面の笑顔で、「そうでしょう。1年寝かせることで旨みが熟成してもっとまろやかになります。」
富山錦という酒米を用いている”みゃあらくもん”。その富山錦は、現在では、この”みゃあらくもん”を造るためだけに専用に栽培されているという幻のコメ。
これを満寿泉(桝田酒造)の三盃 幸一 杜氏が醸し出すのだから、旨くないはずがない。
”みゃあらくもん”もまた、幻の酒と言って良いでしょう。
親爺、リーチインにちらりと見えた村祐を半合と、〆の氷見うどんをリクエストして、大満足の一夜を送ったのでした。
そして最後に、
<亭主>「お客さん、何の本を読まれてうちに来られたんですか?」
<親爺>「あの~、太田さんの本です。」
<亭主>「ああ、太田さんですか。あの方は、富山に来られると必ず寄って下さいます。もう、7~8回はお見えになったでしょうか。」
<親爺>(一所懸命格好つけて呑んだつもりでも、やっぱり本読んでやって来たミーハー丸出しだったのね。親爺、大いに反省・・・。)
===== 以上、実況中継。=====
【この日の呑み食い】
冨美菊、黒部峡、勝駒、みゃあらくもん(生)、みゃあらくもん(1年熟成)、村祐 各半合。
鰹の酒盗、しろえびの天ぷら、さす(かじき)の昆布〆、穴子の卵巻、氷見うどん 各1。
ひとりで一時間半弱滞在。これだけ旨い酒と肴で大満足で、5,100円。
【酒呑親爺、独断のおすすめ度】
★★★★☆
東京にあれば、文句なく通う。
富山出張の楽しみが増えたね。誰か、富山に呼んでくれ~~。
【お店の場所、その他詳細】
お店のHPを参照 ==> 酒肆 真酒亭
お土産代わりに買った、切子のクリスタルグラス。ずっしりと安定感あり。
それと、真酒亭のオリジナル酒器(お銚子)を無理言って分けてもらいました。
これは、正一合サイズ。値段は内緒。
そしたら、マスター(亭主)、オリジナル手拭いも付けてくれました。ありがとう。

【酒肆 真酒亭が紹介されてる本】
・太田 和彦 『ニッポン 居酒屋放浪記 (疾風編)』 新潮文庫
・太田 和彦 『超・居酒屋入門』 新潮文庫
・太田 和彦 『太田和彦の 居酒屋味酒覧 精選172』 新潮社
・太田 和彦 『太田和彦の 居酒屋味酒覧<第二版> 精選173』 新潮社
ブログランキングに参加しています。
↓↓ぜひ、ポチっ ポチっ と↓↓ 、ご協力お願いします。
そこでお邪魔したのが、富山駅ほど近く、銘酒居酒屋「酒肆 真酒亭(しゅし まさけてい)」

【お店の様子】
風俗店でも入ってそうなちょっと怪しげな雑居ビルの階段を、多少不安な気持ちで2Fに上がると、すぐ右側に落ち着いた風情の店構え。この外観で不安は消える。
![masaketei_uti[1]](https://blog-imgs-21-origin.fc2.com/y/o/s/yoshiyukita/20080810105610.jpg)
店内禁煙、酩酊者お断り、醸造酒はナシ の純米酒を美味しく呑むためのお店。
店内は奥に細長く、左側に8席の1本カウンター、右側と奥に4人テーブルが4~5卓。
左奥のカウンター脇には、お客の目から隠れるように純米酒保冷用のリーチイン。
正面奥は、版画や出版物、各種催し物の案内などがギャラリーのようにディスプレー。
亭主の人脈の広さと多趣味・各方面への造詣の深さがうかがい知れる。
こう書くと、華やかで派手な店内を想像されるかもしれないが、ご安心あれ。
店内はいたって静かで、落ち着いた雰囲気。
店のBGMは、落語。ずーっと落語。最後まで落語。ボリューム控え目。
この日は、小さん オンリーだったな。
欲を言えば、小さんの「睨み返し」は、映像(小さんの顔の表情)も欲しかったな。
===== 以下、実況中継。=====
カウンターには常連らしき2名が、少し離れて座っている。富山ことば?でマスターと親しげに話しているところを、親爺、ずうずしくもカウンター最奥のリーチインが覗ける最高席に狙いを定め、
<親爺>「マスター。ここ、いいですか。」
<亭主>「はい、どうぞ。お座り下さい。」
<亭主>おしぼりとお通しを添えながら、「お酒はどのくらい召し上がりますか?」
<親爺>(・・・お~。太田和彦の本に書いてあるとおりだ。)「3合くらいですかね。」
<亭主>「では、半合ずつ富山の地酒を5種類ほどいかがでしょうか?」
<親爺>(お~。これも本に書いてあるとおりだ。)「よろしくお願いします。」
親爺、ここで、肴を注文。鰹の酒盗、しろえびの天ぷら、それと、さす(かじき)の昆布〆。
亭主、お店オリジナルの酒器(普通のお銚子とは違い、”くびれ”のないズンドウタイプの片口のようなお銚子と大きめの底の深いぐい呑み)を差し出しながら、
<亭主>「こちらは、冨美菊です。富山市内のお酒です。・・・、お酒は半分ほど注いでください。その方が、上半分にお酒の香りがたまりますから。」
<親爺>(お~、これも本に書いてある通りだ。でも、あぶなかった。先に言われなければ、うっかり、なみなみと注いじゃうところだった・・・。冨美菊、辛口でなかなか。)
ほどなく、
<亭主>「鰹の酒盗です。お酒は呑み切りましたら、上にあげて下さい。」
<親爺>(ほー、そうか。それが次の酒を催促する合図になるわけだ。鰹の酒盗は、親爺にはちょっと強烈。格好つけずに普通の塩辛にすればよかったなぁ。親爺、反省。)
<亭主>「しろえびの天ぷらです。お塩を添えてありますので、塩でお召し上がりください。」
<親爺>(美味しい。珍味も良いけど、サクサクの天ぷら、文句なしに旨いものを肴にするのもいいね~。うむ、酒がすすむ。)
親爺が、冨美菊を呑み切り、お銚子を上にあげる。
<亭主>「こちら、黒部峡です。」
<親爺>(これも淡麗辛口系だな。冨美菊をもっときれいにした感じ=親爺には少し物足りない。)
親爺、早くも黒部峡を呑み切り、お銚子をあげる。
<亭主>「勝駒です。さすの昆布〆お待たせしました。」
<親爺>さすの昆布〆を食べて思わず、「旨い!こりゃ美味しいわ!」
<亭主>にっこりと、してやったりの笑顔で、「そのままだと水っぽい魚なんですけどね。昆布で〆ると水っぽさがなくなって旨みがギュッと、こう~、歯ごたえが良くなるんですよ。」
<親爺>(本当だ。昆布のだし風味につつまれた絶妙のお造りだ。・・・でも、勝駒は、さすの昆布〆に負けちゃったな。酒が薄く感じる。)
親爺、さすの昆布〆で、勝駒を呑み切りお銚子を上へ。
<亭主>「当店オリジナルの”みゃあらくもん”です。」
<親爺>一口呑むやいなや、「旨い!今までの辛口と違って、米の甘みが広がる!」
<亭主>やはり、してやったりの笑顔で、「”みゃあらくもん”の今年の生酒です。あとで出す1年寝かせたものと比べてみてください。」
<親爺>(こいつを呑ませたいために、今まで淡麗辛口系を出してたのか?こんな旨いのを最初に出されたら、他の酒は呑めんぞ・・・。)
あまりの旨さに、親爺、あっという間に呑み乾してお銚子を上へ。
ここで、肴に穴子の卵巻を追加。
これは、店奥(客からは見えない厨房?)で亭主の奥さんが作ってくれた。でも、奥さんはカウンター(客の前)までは顔を出さない。
<亭主>「”みゃあらくもん”の1年寝かせたものです。」
亭主、親爺が呑むのを覗き込みながら、自信ありげに
<亭主>「いかかですか?」
<親爺>「旨い!さっきの生もいいけど、こっちの方がもっといい!」
<亭主>またしても、してやったりの満面の笑顔で、「そうでしょう。1年寝かせることで旨みが熟成してもっとまろやかになります。」
富山錦という酒米を用いている”みゃあらくもん”。その富山錦は、現在では、この”みゃあらくもん”を造るためだけに専用に栽培されているという幻のコメ。
これを満寿泉(桝田酒造)の三盃 幸一 杜氏が醸し出すのだから、旨くないはずがない。
”みゃあらくもん”もまた、幻の酒と言って良いでしょう。
親爺、リーチインにちらりと見えた村祐を半合と、〆の氷見うどんをリクエストして、大満足の一夜を送ったのでした。
そして最後に、
<亭主>「お客さん、何の本を読まれてうちに来られたんですか?」
<親爺>「あの~、太田さんの本です。」
<亭主>「ああ、太田さんですか。あの方は、富山に来られると必ず寄って下さいます。もう、7~8回はお見えになったでしょうか。」
<親爺>(一所懸命格好つけて呑んだつもりでも、やっぱり本読んでやって来たミーハー丸出しだったのね。親爺、大いに反省・・・。)
===== 以上、実況中継。=====
【この日の呑み食い】
冨美菊、黒部峡、勝駒、みゃあらくもん(生)、みゃあらくもん(1年熟成)、村祐 各半合。
鰹の酒盗、しろえびの天ぷら、さす(かじき)の昆布〆、穴子の卵巻、氷見うどん 各1。
ひとりで一時間半弱滞在。これだけ旨い酒と肴で大満足で、5,100円。
【酒呑親爺、独断のおすすめ度】
★★★★☆
東京にあれば、文句なく通う。
富山出張の楽しみが増えたね。誰か、富山に呼んでくれ~~。
【お店の場所、その他詳細】
お店のHPを参照 ==> 酒肆 真酒亭
お土産代わりに買った、切子のクリスタルグラス。ずっしりと安定感あり。
それと、真酒亭のオリジナル酒器(お銚子)を無理言って分けてもらいました。
これは、正一合サイズ。値段は内緒。
そしたら、マスター(亭主)、オリジナル手拭いも付けてくれました。ありがとう。

【酒肆 真酒亭が紹介されてる本】
・太田 和彦 『ニッポン 居酒屋放浪記 (疾風編)』 新潮文庫
・太田 和彦 『超・居酒屋入門』 新潮文庫
・太田 和彦 『太田和彦の 居酒屋味酒覧 精選172』 新潮社
・太田 和彦 『太田和彦の 居酒屋味酒覧<第二版> 精選173』 新潮社
ブログランキングに参加しています。
↓↓ぜひ、ポチっ ポチっ と↓↓ 、ご協力お願いします。


この記事へのコメント
過去記事にコメントごめんなさい(/ω\)
一昨年、富山出張の際、こちらのお店にお邪魔しました♪
まさか、親爺さん、いってらっしゃったとは!!!
みゃあらくもん、美味しかったですねぇ~♪
カワハギの肝造りが最高でした(*‘∀‘)
一昨年、富山出張の際、こちらのお店にお邪魔しました♪
まさか、親爺さん、いってらっしゃったとは!!!
みゃあらくもん、美味しかったですねぇ~♪
カワハギの肝造りが最高でした(*‘∀‘)
たまぼんさん
返信遅くなり、失礼しました。
私が富山に行ったときは、「親爺」にするか?「あら川」に入るか?悩みましたが、どちらも混んでいるようでしたので、一番奥(駅から離れている)「真酒亭」に入りました。
みゃあらくもん、旨かったですねぇ。
返信遅くなり、失礼しました。
私が富山に行ったときは、「親爺」にするか?「あら川」に入るか?悩みましたが、どちらも混んでいるようでしたので、一番奥(駅から離れている)「真酒亭」に入りました。
みゃあらくもん、旨かったですねぇ。
2014/09/21(日) 11:46 | URL | 酒呑親爺 #-[ 編集]
この記事のトラックバックURL
http://yoshiyukita.blog32.fc2.com/tb.php/51-92f67c0b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック